王子様はお姫様を愛し尽くしたい〜23時のシンデレラ短編〜

※※

壁掛け時計は深夜0時をとうに過ぎている。

(もうすぐ1時か……)

麗夜たちが帰宅してから俺たちは手分けして片付けをし、今は美弥がシャワーを浴びている。

(今日も結構飲んだな)

まさかビールを飲んだ上でワインを二人で2本も空けるとは思わなかった。

麗夜が酒が強い上に好きなこともあって、毎回あの夫婦がくると俺は飲みすぎてしまう。

(美弥を抱く余力だけは残してあるけどな)


俺はそんな邪なことを考えながら美弥がシャワーを終えるのをリビングでひとり待っている。いや、待ち構えているといった方が正しいかもしれない。

(てか一緒に入るのが恥ずかしいって、なんだよ)

時折、美弥に悪戯がてら強引に一緒に入ることもあるのだが、美弥は結婚して何年たっても目のやり場に困ると言って、そそくさと出て行ってしまうのだ。


(たまには風呂で襲うのもいいんだけどな)

しかしながら、お風呂好きの美弥のリラックスタイムを奪うのはダメだと俺もわかっていて、何とかここ一か月は我慢している。

(来月あたりは風呂だな)

(うん、そうしよう)


──ガチャ


「はぁ~気持ちよかった」

(お! きた!)

「美弥、水置いといたから」

美弥が肩からタオルをかけたままリビングにやってくると、美弥は水をごくごくと飲み干す。

「んー、おいしい。颯、ありがとう」

「全然。そこの湧き水、子供たちもミャーも気に入っているし、また取り寄せしとくな」

「うん」

「あと、子供らは相変わらず爆睡」

「そっか、麗夜さんたちに遊んで貰ってよっぽど疲れたんだね」

「だな。美弥、おいで」

手招きすると美弥がいつものように俺の隣にちょこんと座る。

洗いざらしの髪から甘いシャンプーの匂いがして、それだけでもう俺の身体は反応しそうになる。

(待て待て、今じゃねぇ)