俺は予想外の言葉に驚く。麗夜が仕事を振らないのは俺に遠慮していたのではなく、兄として見栄を張りたかったから。
「なんだよそれ」
「だから颯に遠慮してるわけでも、頼りたくないわけでもないから。ちゃんと、しんどくなる前に“お願い”するよ」
「……あっそ」
なんだか改まって俺に対して信頼ともいえる言葉を聞くと、嬉しいのに気恥ずかしくてそっけなくしてしまう。
「照れたんだ?」
「どの口が言ってんだよ」
「颯のことは結構わかるんだよね。あとこう見えて、僕は意外とブラコンだし」
「な……っ」
「知らなかった? 弟って可愛いね」
「か、可愛……」
追い打ちをかけるように言われた言葉に、勝手に顔が熱くなる。
「な、なんなんだよ……っ」
「ん?」
「……二人そろって、俺を揶揄いやがって」
「あ、英玲奈とまたやりあったの?」
「そうだよっ、とんでもねぇ女と結婚しやがって」
俺の言葉に麗夜がぷっと吹き出す。
「どっちが勝ったの?」
「当然、俺」
「あはは。毎回英玲奈と逆のこと言うよね」
「ここだけの話、俺、アイツ嫌いだかんな」
「そういう割に仲良しに見えるけどね」
「美弥とおんなじこと言うな」
麗夜がまた白い歯を見せて笑う。
麗夜は英玲奈と結婚してから、表情が柔らかくなった。
俺や親父の前で作り笑いもしなくなったし、以前よりも喜怒哀楽が豊かで人間らしくなったと思う。
いつも笑顔の人形みたいなやつだと思っていた時期もあったが、今の麗夜を見ればそれが嘘みたいだ。
(認めたくねぇけど……英玲奈のお陰なんだろうな)
「なんだよそれ」
「だから颯に遠慮してるわけでも、頼りたくないわけでもないから。ちゃんと、しんどくなる前に“お願い”するよ」
「……あっそ」
なんだか改まって俺に対して信頼ともいえる言葉を聞くと、嬉しいのに気恥ずかしくてそっけなくしてしまう。
「照れたんだ?」
「どの口が言ってんだよ」
「颯のことは結構わかるんだよね。あとこう見えて、僕は意外とブラコンだし」
「な……っ」
「知らなかった? 弟って可愛いね」
「か、可愛……」
追い打ちをかけるように言われた言葉に、勝手に顔が熱くなる。
「な、なんなんだよ……っ」
「ん?」
「……二人そろって、俺を揶揄いやがって」
「あ、英玲奈とまたやりあったの?」
「そうだよっ、とんでもねぇ女と結婚しやがって」
俺の言葉に麗夜がぷっと吹き出す。
「どっちが勝ったの?」
「当然、俺」
「あはは。毎回英玲奈と逆のこと言うよね」
「ここだけの話、俺、アイツ嫌いだかんな」
「そういう割に仲良しに見えるけどね」
「美弥とおんなじこと言うな」
麗夜がまた白い歯を見せて笑う。
麗夜は英玲奈と結婚してから、表情が柔らかくなった。
俺や親父の前で作り笑いもしなくなったし、以前よりも喜怒哀楽が豊かで人間らしくなったと思う。
いつも笑顔の人形みたいなやつだと思っていた時期もあったが、今の麗夜を見ればそれが嘘みたいだ。
(認めたくねぇけど……英玲奈のお陰なんだろうな)



