おもひで猫列車へようこそ〜後悔を抱えたあなたにサヨナラを〜


「すごいですね、すごい」

私は子供みたいに、顔だけ振り返って車窓の外の景色に釘付けだ。

線路脇には見たことのない不思議な形や色をした植物や花が咲き乱れている。 視線をすこし遠くに移せば、いくつもの線路が前後左右に敷かれていて沢山の一両列車が走っている。

どうやら列車のデザインは運転士を表しているようで、割烹着姿の猫の列車や着物をきた可愛らしい猫、侍のような勇ましい猫と個性豊かだ。

「列車のデザインは運転士さんなんですね」

「せや。まぁ、わしの腹巻き姿が一番かっこええんやけどな」

ヒデさんが自慢げに髭を引っ張る姿を見ながら私はクスッと笑った。

はじめは正直、なんだこの説教くさいおじさん猫はと思っていたが何だか可愛らしく思えてくる。

「なんや、ちゃう思うてんのか?」

「いえ、かっこいいです」

「にゃんや照れるやんけ〜」

ヒデさんが肉球で私の肩をポンと叩いて思わず声を出して笑った。

こんな風に声を出して笑ったのは久しぶりだ。

「ええ、笑顔や」

「あ、えっと……」

なんだか気恥ずかしくて、視線が泳いだ私に今度はヒデさんの突っ込みが飛んでくる。

「桜、そこはにゃんや照れるやんけ〜ゆうところやで」

「……なるほど」