「もうずっと……苦しいんです……だって過去は変えられないから」
「……確かに過去は変えられへん。でも“後悔”は変えれるんや」
「本当にそんなことできるんですか?」
「そのためにわしがきたんやさかいな。これも縁や。その“後悔”を今夜おもいで猫列車に乗ってちゃんと思い出に変えてしまおうや」
「でも……私の“後悔”を思い出になんて……だって……」
だって静馬くんはもう──。
ぽたんと手の甲に落ちた大きな涙が弾けて、すぐに視界が滲む。
「泣かんでええ、わしがきたからにはもう大丈夫や」
「……ぐす……本当、に?」
「あったり前や。誰やとおもうとんねん」
ヒデさんは右の前足で自身の胸をポンと叩くと立ち上がる。そして私にピンク色の肉球のついた可愛らしい手を差し出した。
「桜、行くで。いまからおもひで猫列車乗って過去に戻るさかいにな」
「えっ?! さっき過去は変えられないって……」
「過去は変えられへん、せやけど過去には行けるねん。一回限りやけどな」
やっぱりヒデさんの言うことはよくわからなくて理解が追い付かない。
でもなぜだか、胸が少しだけ期待で膨らんでいく。
これが夢か現実かなんてもうどうでもいい。
ただ、過去に戻り“後悔”のカタチを変えられるのなら、私はそのおもひで猫列車に乗って、彼に会いたい。
「はよう」
「あ、宜しくお願いします」
そう言って、遠慮がちにヒデさんの前足を握れば、小さな温かさが手のひらに伝染してくる。
「なんや?」
「あの、あったかいなって」
「当たり前やろ、猫は体温が高い生き物やさかいにな」
ニッとヒデさんは笑うと、私を見慣れた押入れの前に連れていく。
「え? ……あの、ヒデさん……?」
「びっくりしなや、わしの愛車や」
ヒデさんが押入れを勢いよく開くと、その中には別世界が広がっていた。
「……確かに過去は変えられへん。でも“後悔”は変えれるんや」
「本当にそんなことできるんですか?」
「そのためにわしがきたんやさかいな。これも縁や。その“後悔”を今夜おもいで猫列車に乗ってちゃんと思い出に変えてしまおうや」
「でも……私の“後悔”を思い出になんて……だって……」
だって静馬くんはもう──。
ぽたんと手の甲に落ちた大きな涙が弾けて、すぐに視界が滲む。
「泣かんでええ、わしがきたからにはもう大丈夫や」
「……ぐす……本当、に?」
「あったり前や。誰やとおもうとんねん」
ヒデさんは右の前足で自身の胸をポンと叩くと立ち上がる。そして私にピンク色の肉球のついた可愛らしい手を差し出した。
「桜、行くで。いまからおもひで猫列車乗って過去に戻るさかいにな」
「えっ?! さっき過去は変えられないって……」
「過去は変えられへん、せやけど過去には行けるねん。一回限りやけどな」
やっぱりヒデさんの言うことはよくわからなくて理解が追い付かない。
でもなぜだか、胸が少しだけ期待で膨らんでいく。
これが夢か現実かなんてもうどうでもいい。
ただ、過去に戻り“後悔”のカタチを変えられるのなら、私はそのおもひで猫列車に乗って、彼に会いたい。
「はよう」
「あ、宜しくお願いします」
そう言って、遠慮がちにヒデさんの前足を握れば、小さな温かさが手のひらに伝染してくる。
「なんや?」
「あの、あったかいなって」
「当たり前やろ、猫は体温が高い生き物やさかいにな」
ニッとヒデさんは笑うと、私を見慣れた押入れの前に連れていく。
「え? ……あの、ヒデさん……?」
「びっくりしなや、わしの愛車や」
ヒデさんが押入れを勢いよく開くと、その中には別世界が広がっていた。



