「いたっ」
「なにゆうとんねん。猫なら当たり前やろが」
(いやいや……普通の猫は字なんか書いたりしませんから)
喉まで出かかった心の声を飲み込むと、ですね、とだけ答える。
「まず桜。単刀直入にゆうと桜は“後悔”の大きさがが尋常やない」
「え? “後悔”の大きさ?」
ヒデさんは線路と電車の絵を描くと、まわりにたくさんの風船の絵を足していく。そして電車の横に“おもひで猫列車”と達筆で書き加えた。
「うわ。絵も字も上手」
「そこちゃうわ。これがわしが来たときの状況や」
「ん?」
「わしはな毎晩、おもひで猫列車ゆうんに乗って人間界を、ぱとろ~るぅしとんやけど、“後悔”抱えた人間の想いが、まあるい風船みたいになって夜空に浮かんどんねん。いろんな色のいろんな大きさがあるんやけどな。今日はひと際大きい“後悔”が浮かんどったから来てみたら、持ち主が桜やったんや」
ヒデさんはふいに真剣な目をすると、私をまっすぐに見つめた。
「あるやろ、“後悔”」
「…………」
そうずっと“後悔”が消えない。
何をしていても、どこにいても静馬くんのことが頭から離れない。私は両手をぎゅっと握りしめた。
「あります……」
「そんな顔せんでも、“後悔”を持つことは悪いことちゃう。こうすればよかったと後から悔いるほどに大事なものや人なら当然やし、そんな風に想える人間は、えてして“ええやつ”や」
慰めるように声のトーンを落としたヒデさんの優しい声色にほっとして、なんだか泣きそうになる。
「なにゆうとんねん。猫なら当たり前やろが」
(いやいや……普通の猫は字なんか書いたりしませんから)
喉まで出かかった心の声を飲み込むと、ですね、とだけ答える。
「まず桜。単刀直入にゆうと桜は“後悔”の大きさがが尋常やない」
「え? “後悔”の大きさ?」
ヒデさんは線路と電車の絵を描くと、まわりにたくさんの風船の絵を足していく。そして電車の横に“おもひで猫列車”と達筆で書き加えた。
「うわ。絵も字も上手」
「そこちゃうわ。これがわしが来たときの状況や」
「ん?」
「わしはな毎晩、おもひで猫列車ゆうんに乗って人間界を、ぱとろ~るぅしとんやけど、“後悔”抱えた人間の想いが、まあるい風船みたいになって夜空に浮かんどんねん。いろんな色のいろんな大きさがあるんやけどな。今日はひと際大きい“後悔”が浮かんどったから来てみたら、持ち主が桜やったんや」
ヒデさんはふいに真剣な目をすると、私をまっすぐに見つめた。
「あるやろ、“後悔”」
「…………」
そうずっと“後悔”が消えない。
何をしていても、どこにいても静馬くんのことが頭から離れない。私は両手をぎゅっと握りしめた。
「あります……」
「そんな顔せんでも、“後悔”を持つことは悪いことちゃう。こうすればよかったと後から悔いるほどに大事なものや人なら当然やし、そんな風に想える人間は、えてして“ええやつ”や」
慰めるように声のトーンを落としたヒデさんの優しい声色にほっとして、なんだか泣きそうになる。



