推しと奏でる、私たちの唄 〜ドS天才歌手の隣は甘くて難しい〜


 夏の顔が、ほんの数センチまで寄ってくる。


 「……夏さ……ん……?」

 息がかかる距離。






 「灯里……」




 夏さんの熱を持った瞳が閉じた。まつ毛が見える。
 この人、なんて色っぽいの。



 私は自然と“それ”を受け入れるように目を閉じた。


 このまま私は夏さんと…
 キス……

 ーーーキ、キス?えええええ!!

 ダメ、マネージャーとしても……絶対……!






 ーーーーちゅっ。



 灯里はとっさに横を向いた。

 夏の唇が頬をかすめ、
 一瞬の熱だけが残る。

 私が拒まなければ、本当にキスしてたのかな?

 夏は、ゆっくり言う。


 「……避けるんだ。」

 「いやいやいやいや、どういうことですか?!」

 我に返り、立ち上がって夏と距離を取る。

 「俺に興味あるかと思ってたのに。」

 「ありますよ!!」

 夏の眉がわずかに動く。