無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

になった気がした――けれどもまたすぐに笑顔になった。

「じゃあ俺はこれで」
「はい、お疲れさまでした」

何か言いかけていたけど大丈夫だったのかな、と主任の背中を見送っていると、湊さんが私のそばに立った。

「急でごめん。仕事が早く切り上がったから」

きっと、忙しいのを調整してきてくれたに違いない。

「話の最中だったか? 暗くてよく見えなかった。急に声かけてごめん」
「いえ。明日また仕事で一緒になりますので。ありがとうございます。来てくれて、うれしいです」

私が微笑むと、湊さんも微笑んだ。
けど、すぐに表情を引き締めた。

「今の人が……君が話していた上司か」
「……はい」
「たしかに、背格好は似ていたな」
「はい。でも……あの方が犯人だとは、どうしても思えなくて……」

でも、それでも完全には信用できない心苦しさが、胸に重くのしかかる。
あの優しさがすべて演技だったとしたら――
そう考えるだけで、心がざわついた。

不意に、湊さんが私の手をぎゅっと握った。

「……寒いな。とにかく歩こう」

大きくて温かい手。
そのぬくもりに、張り詰めていた心が少しだけほどけた。

「そうだ、この前行ったカフェで夕食にしないか?」
「いいですね。今日はオムライスが食べたいなぁ」
「うん。俺もそう思ってた」

笑い合いながら歩き出した。
けれど、その時間は、ほんの束の間の癒しでしかなかった。