小林さんが、手にスマホを持ちながら、勝ち誇った笑みを浮かべて私を見つめていた。
「え……っ、どうして……」
「それはこちらのセリフよ。人のロッカーを勝手にあさって何をやっているの?」
「こ、これは……」
「何を探しているかは知らないけど、それ犯罪行為よね? ここで騒いじゃってもいい?」
含みを持った言葉に、私はすべてを察する。
はめられたのだ。
思わず唇を噛む私に、小林さんは冷ややかな嘲笑を浮かべた。
「超ムカついていたとはいえ、うっかりあの付箋を使ってしまったのはミスだったわ。あの新人の子があれと同じ付箋を使い始めて、これはまずいと思った。でも、むしろ逆手にとって、あんたを追い出してやろうと思った。まんまとはまってくれたってわけね」
それまでとは打って変わった口調だった。
まるで害虫か何かを目にしているような嫌悪感がにじんでいた。
つい昨日まで私に親しく接してくれた彼女はすべて偽りの姿だったのだと痛感する。
足場が崩れるようなショックに耐えながら、私は涙声で返した。
「これまでのことは忘れます。だからもう、あんなひどいことをするのはやめてください」
小林さんは短く高笑いすると、手に持っていたスマホをこれ見よがしに掲げて見せた。
「何言ってるの? 今ここで騒げば犯罪者扱いされる自分の立場をわかってる? 外に出ましょ。交換条件と行こうじゃないの」



