可愛らしい猫の絵柄で、触ってみると、薄い半透明の紙が重なっているのがわかった。
そっとめくると、上の紙には猫の耳と目とひげ、下の紙には輪郭になる円だけが印刷されているデザインになっているのがわかった。
「他にも犬とか、パンダとか、クマとかあるんですよ。組み合わせ次第でいろいろ楽しめるんです。かわいいですよね! 私、こういう雑貨が大好きで」
嬉しそうに話す声を聞きながら、私は円だけが印刷された下の紙から、目を離せなくなっていた。
見覚えがあった。
誹謗中傷が無数に書かれた付箋。
ほとんどが無地のものだったけれど、数枚だけこれと同じような円だけが印刷されたものが貼られていた。
きっと、数が足りなくなったので、その時持ち合わせていたものを貼ったのだろう。
体の芯が凍り付く。
声が震えそうになるのを抑えながら、尋ねた。
「……そういえば。入社したとき、みんなに付箋を配ってくれてたよね」
「はい。皆さんに、それぞれ選んでお渡ししました」
「……この付箋も、誰かにあげた?」
「ええ、これは確か――」
そのとき、近くにいた男の子が、「せんせい、トイレ!」と彼女の服を引いた。
「ごめんなさい、あとでもいいですか?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
彼女が立ち去ったあとも、私はその場から動けずにいた。
聞かなくても、相手が誰か予想がついていたから。
血の気が引いていく。
なんとなく、もしかしたらとは思っていた。でも信じたくなかった。
付箋だって似たようなものと見間違えただけかもしれない。でも――。
頭の中で否定と確信がせめぎ合うのに、不思議と心は落ち着いていた。
この疑いを裏づける証拠を見つけなければならない。
そっとめくると、上の紙には猫の耳と目とひげ、下の紙には輪郭になる円だけが印刷されているデザインになっているのがわかった。
「他にも犬とか、パンダとか、クマとかあるんですよ。組み合わせ次第でいろいろ楽しめるんです。かわいいですよね! 私、こういう雑貨が大好きで」
嬉しそうに話す声を聞きながら、私は円だけが印刷された下の紙から、目を離せなくなっていた。
見覚えがあった。
誹謗中傷が無数に書かれた付箋。
ほとんどが無地のものだったけれど、数枚だけこれと同じような円だけが印刷されたものが貼られていた。
きっと、数が足りなくなったので、その時持ち合わせていたものを貼ったのだろう。
体の芯が凍り付く。
声が震えそうになるのを抑えながら、尋ねた。
「……そういえば。入社したとき、みんなに付箋を配ってくれてたよね」
「はい。皆さんに、それぞれ選んでお渡ししました」
「……この付箋も、誰かにあげた?」
「ええ、これは確か――」
そのとき、近くにいた男の子が、「せんせい、トイレ!」と彼女の服を引いた。
「ごめんなさい、あとでもいいですか?」
「うん、大丈夫。ありがとう」
彼女が立ち去ったあとも、私はその場から動けずにいた。
聞かなくても、相手が誰か予想がついていたから。
血の気が引いていく。
なんとなく、もしかしたらとは思っていた。でも信じたくなかった。
付箋だって似たようなものと見間違えただけかもしれない。でも――。
頭の中で否定と確信がせめぎ合うのに、不思議と心は落ち着いていた。
この疑いを裏づける証拠を見つけなければならない。



