無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜

「あともう少しの辛抱だ」

俺は彼女の手を両手で包むと、言い聞かせるようにそっと言った。

「かならず君をまた笑顔にする。だからもう少し耐えてほしい」
「湊さん……」

千沙さんは顔を赤らめると微笑んで見せた。

「はい。湊さんを信じます」

その儚げながらも可愛い笑顔を見ると、気力がみなぎってくる。

竹田主任の線が弱まったことが、一概に良いこととは言えない。
犯人の目星が全くつかなくなって、事態は後退したともいえるからだ。

それに俺の中に巣くうもやもやとしたものは、いまだに解消されていなかった。
やはり最近の被害――付箋を無数に貼るというこれまでと違ったやり方が気になっていた。

これまでの千沙さんに対する嫌がらせ行為には彼女を貶めたいという意図が込められているように感じた。
でも今回の被害は、これまでとは違う負の感情――憎しみが宿っている気がした。
それまでのやり方はどこか冷静で計画的なのに、今回だけは感情に突き動かされたような拙さがあった。
そしてその拙さに、犯人へのヒントが隠されている気がしてならないのだ。

「……竹田主任のことを、もういちどよく教えてもらえないか?」

おもむろに俺が言うと、千沙さんは怪訝な顔をした。