Cherry Boy


バックヤードに下がっていった浩さんの後ろ姿を見送ったところで我に帰り、スマホを手に取る。

「位置情報…」

Googleマップで『Cherry』を検索にかけ、出てきた位置情報を花宮さんのトークルームに送る。

浩さんがいなくなったカウンターの奥をぼんやり眺めてから、Instagramを開く。

ストーリーを巡回し、流れ作業でいいねをつけたあと、ノートを開いた。

RADWIMPSの『正解』や、合唱で歌った『YELL』がひしめくノートの中から、ひとつ異彩を放っているノートを見つける。

『1000日間 乃紫 3年間ありがとうございました』

花宮さんのシンプルなノートにいいねを押すと、からんころんと丸いドアベルの音が静かな店内に響いた。