Cherry Boy


「3組、退場」

日月の掛け声で、3年3組の生徒が一斉に立ち上がる。

吹奏楽バージョンの卒うたメドレーが流れる体育館をあとにし、体育館の冷たい壁に寄りかかる。

山倉と合流して教室に戻る。

「そっち持って!」

「風船膨らませるん手伝って!」

喧騒の中で黒板に目を向ける。

学級目標と学級旗、合唱コンクールの集合写真と賞状が貼られた黒板の上部に、青いパーティーモールがついていた。

左に視線をスライドする。

淡い桃色の唇を噛んで涙をこぼす花宮さんと、窓の方に目を向けた小山さんが視界に入った。

その涙にこっそり見とれていると、「涼、これ」と、日月が僕の手に何かを握らせた。

「クラッカー。佐藤が来たら鳴らせよ」

青とピンクのチープなクラッカーは軽すぎて、変な感じがする。

クラッカーを握りしめてぼんやりしていると、教室に佐藤が入ってきた。