「涼、あんた紅白見るかスマホ見るかどっちかにしなさいよ」
食器を洗っていた母親が、水音に負けないぐらい声を張り上げてそう言う。
「んー」
テレビからは、流行りのアニソンが流れている。
一瞬だけテレビの画面を見やってスマホに目を落とすと、画面上部に通知がポップアップした。
【颯太 あけおめ!ちゃんと…】
通知をタップしてLINEに遷移すると、淡青のトーク画面に北瀬の白い吹き出しが現れた。
【あけおめ!ちゃんと3学期は花宮さんに話しかけろよ】
のほほんとしていたところに飛び蹴りを食らったかのような一言に、手からスマホが滑り落ちる。
【ちゃんとできてたら苦労してねーよ】
スマホを拾ってから勢いに任せて入力フィールドに打ち込み、違和感から削除ボタンを連打する。
何を返そうと考えあぐねていると北瀬から電話がかかってきた。



