「あんた、早く起きないと遅刻するわよ‼」
どたどたと階段を上がってきた母親が、僕がかぶっていた毛布を勢いよく引っぺがす。
僕の返事を待つこともなく、母親が階段を下りていく。
僕は小さくため息を落とし、母親から十数秒遅れて階段を下りた。
リビングに行くと「ごめーん、今日これしかないから」と、セブンイレブンのスティックパンをぽいっと投げられた。
スティックパンのビニールを開け、中身をむしゃりと頬張る。
「立ち食いしないの」
しぶしぶスティックパンの袋を小脇に抱えてキッチンに入る。
牛乳をマグカップに入れて、電子レンジで温める。
母親がいなくなったので、僕はもうひと口パンをかじった。
最後の一切れを口に入れた瞬間、電子レンジがあたため終了のアラームを鳴らした。
マグカップを持ってダイニングテーブルまで運ぶと、ようやく一息つけた。
僕はスティックパンをそっと牛乳に浸す。
牛乳を吸ったパンをかじると、パンの甘みと牛乳の温かさが体に広がった。



