3年生に進級し、中学最後のクラス替えを控えた僕たち。

クラス名簿が張り出されるのを待っていると、「よっ」と北瀬が飛びついてきた。

花宮さんに衝撃の一言を落とされた、あの時のアイツと同じ奴だ。

「何組だろーな。」

北瀬が肩に腕を回してきたので、「あの体育じじいじゃなけりゃなんでもいいわー」と無難に返答した。

佐藤(さとう)な。人間性だ敬語だうるさいやつ」

北瀬と体育教師の文句を言いあっていると、クラス名簿がいつの間にか張り出されていた。

「俺3組だった。北瀬は?」

「4組。離れたけど、担任長瀬だしまあいっか。てかお前、担任佐藤やん。1年間がんばー」

へらへらと憐憫(れんびん)の笑みを浮かべられ、僕は何とかへらへらと笑い返すのが精いっぱいだった。

花宮さんが一緒のクラスなら、まあいいか。そう思って、僕は名簿をろくに見ずに昇降口へ走った。