杏子、美沙の顔を見る。
美沙「うん?どうしたの?」
杏子「美沙ちゃんって、正樹君の事、何でも分かるんだね」
美沙「・・・」
杏子「いいな、うらやましい」
美沙「何言ってるの。あいつの行動パターン
単純だから。杏子にもすぐに分かるように
なるって」
杏子「・・・」
美沙「それに私とあいつ、仲良くないからね。生まれてからずっと隣どおしで、ホント、顔も見飽きたって感じ。会えばいつもケンカだし」
杏子「ケンカ出来る程、仲良いんだね、きっと」
美沙「違うって。ところで、杏子はあいつのドコがいいの?」
杏子「・・・優しいところかな」

○学校・玄関・回想
2年前、突然の雨で傘が無く戸惑う杏子。
杏子「雨、どうしよう」
正樹、杏子に傘を渡す。
杏子、突然の事だったので、驚く。
正樹「はい、これ使いなよ」
杏子「え、でも」
正樹「いいから。俺、家近いからさ。はい」
正樹、強引に傘を杏子に渡す。
杏子「・・・」