美沙「何回も起こしたわよ。鼻つまんだり、髪の毛引っ張ったりして」
正樹「それか、悪夢の原因は。やっぱりお前のせいか」
美沙「あんたは昔からそうなんだから。何やっても起きなくて。そうそう、昔からだよね、私の手を握って寝るのも」
正樹「・・・」
杏子「あのー」
正樹、美沙「何?」
杏子「あ、いえ、二人っていつもこんな感じなのかなって。仲良いよね」
正樹と美沙、お互い顔を見る。

○道
正樹と美沙が歩いている。
正樹「杏子ちゃん、怒ってないかな」
美沙「大丈夫じゃない。杏子、あんたに一目惚れだから」
正樹「一目惚れって、さすが俺だな」
美沙「バーカ。そんな事言ってると、すぐに嫌われるぞ。あんたのドコがいいんだろうね。同情かな」
正樹「うるせえな。何でせっかくの初デートにお前が付いて来るんだよ」
美沙「私だって知らないわよ。杏子に頼まれただけなんだから」
正樹「お前な、そう言うのは普通断るだろう」
美沙「あんたの事、怖かったんじゃない?いつ襲われるかって」
正樹「誰が初デートで襲うか。俺は獣か」
美沙「獣じゃなくて、変態」
正樹「・・・」
美沙「でも私がいて良かったんじゃない。二人だったら、ホテル泊まれなかったでしょ?」