朝、目が覚めた。
まだ、この場所には慣れない。
「いつでも、俺を頼れ。」
その言葉をふと思い出した。
まだ、心がじんわりとあたたかい。
ベッドの中で、胸に残った温度を確かめるように、そっと息を吸った。
しばらくして、ベッドから起き上がって、身支度をする。
机の上に用意されていた服を着た。
少し薄手の長袖のワンピースだった。
廊下に出ると、人のが多い気がした。
すれ違った組員が「今日、あの方が来るぞ。」とちらっと聞こえた。
あの方...?
すると、光稀がたまたま目の前を通った。
話しかけていいのか迷ったけど、勇気を出して「光稀、なにかあるの...?」と話しかけた。
光稀は、目をぱちくりとさせこっちを見ていいた。
どうしたんだろう?
首をかしげると、光稀は「ため口で話してくれた~!」と私の手を取って、ぶんぶんと振った。
そんなにうれしいのかな...。っていうか、腕痛い...
困っていると、いきなり光稀の横っ腹に蹴りが入った。
蹴りを入れたのは、麗さんだった。
「痛~い!もう、何でそんなことするの⁉」
光稀は、いきなりの事なのにすぐに体勢を立て直して何事もなかったように話し始めた。
すごい...
「澪さん、困っていましたよ。光稀も、もうちょっと距離は考えてください。」
麗さんは私を見ると、「今日は、婚約者様が来るんです。」と言った。
婚約者?
「誰のですか?」
「若頭の婚約者様です。」
え...。
心がなぜかずきりといたんだ。
「そう、ですか。」
そう言った瞬間、遠くから「優愛様、おいでになられました!!」と声が聞こえてきた。
「澪、行こ!!」
光稀は、私の腕を掴んでぐいぐいと歩き出した。
「私も行っていいの?」と聞くと、光稀は大丈夫!!と言った。
ほんとかな。
光稀に手を引かれ歩いてしばらくすると、居間に着いた。
ここに、いるんだ...
意を決して、扉を開く。
部屋に入った瞬間、雰囲気が違うかった。
ふわりとした花の匂いに、全身が包まれ誰かに抱きしめられている感覚に陥る。
部屋を見渡すと、奥の方に彗さんと女の人は向かい合って座っていた。
2人はなにか話すと、楽しそうに笑っている。
彗さんは、いつも通り淡々としている。
けれど、声の端が、ほんの少しだけ柔らかい気がした。
あの人が、婚約者さんか。
とてもお似合いだ。
女の人は雪のように白い肌が赤い着物によく映える。
高い鼻、切れ長の目。
にこりと笑った時にできるえくぼがそれを引き立てる。
彼女は、私にも視線を向け、柔らかく微笑んだ。
その仕草ひとつが、完成された人間みたいだった。
本当に...お似合いだ。
私は、あんな風に笑ったことがあるだろうか。
誰かの隣で、あんな顔をしたことが。
何かがずしりと胸に乗っかる。
彗さんと婚約者さんを部屋の隅っこで見つめる。
2人は、昔の頃の話や仕事の話をしているが、私には分からない。
私だけ置いていかれた気がした。
まだ、この場所には慣れない。
「いつでも、俺を頼れ。」
その言葉をふと思い出した。
まだ、心がじんわりとあたたかい。
ベッドの中で、胸に残った温度を確かめるように、そっと息を吸った。
しばらくして、ベッドから起き上がって、身支度をする。
机の上に用意されていた服を着た。
少し薄手の長袖のワンピースだった。
廊下に出ると、人のが多い気がした。
すれ違った組員が「今日、あの方が来るぞ。」とちらっと聞こえた。
あの方...?
すると、光稀がたまたま目の前を通った。
話しかけていいのか迷ったけど、勇気を出して「光稀、なにかあるの...?」と話しかけた。
光稀は、目をぱちくりとさせこっちを見ていいた。
どうしたんだろう?
首をかしげると、光稀は「ため口で話してくれた~!」と私の手を取って、ぶんぶんと振った。
そんなにうれしいのかな...。っていうか、腕痛い...
困っていると、いきなり光稀の横っ腹に蹴りが入った。
蹴りを入れたのは、麗さんだった。
「痛~い!もう、何でそんなことするの⁉」
光稀は、いきなりの事なのにすぐに体勢を立て直して何事もなかったように話し始めた。
すごい...
「澪さん、困っていましたよ。光稀も、もうちょっと距離は考えてください。」
麗さんは私を見ると、「今日は、婚約者様が来るんです。」と言った。
婚約者?
「誰のですか?」
「若頭の婚約者様です。」
え...。
心がなぜかずきりといたんだ。
「そう、ですか。」
そう言った瞬間、遠くから「優愛様、おいでになられました!!」と声が聞こえてきた。
「澪、行こ!!」
光稀は、私の腕を掴んでぐいぐいと歩き出した。
「私も行っていいの?」と聞くと、光稀は大丈夫!!と言った。
ほんとかな。
光稀に手を引かれ歩いてしばらくすると、居間に着いた。
ここに、いるんだ...
意を決して、扉を開く。
部屋に入った瞬間、雰囲気が違うかった。
ふわりとした花の匂いに、全身が包まれ誰かに抱きしめられている感覚に陥る。
部屋を見渡すと、奥の方に彗さんと女の人は向かい合って座っていた。
2人はなにか話すと、楽しそうに笑っている。
彗さんは、いつも通り淡々としている。
けれど、声の端が、ほんの少しだけ柔らかい気がした。
あの人が、婚約者さんか。
とてもお似合いだ。
女の人は雪のように白い肌が赤い着物によく映える。
高い鼻、切れ長の目。
にこりと笑った時にできるえくぼがそれを引き立てる。
彼女は、私にも視線を向け、柔らかく微笑んだ。
その仕草ひとつが、完成された人間みたいだった。
本当に...お似合いだ。
私は、あんな風に笑ったことがあるだろうか。
誰かの隣で、あんな顔をしたことが。
何かがずしりと胸に乗っかる。
彗さんと婚約者さんを部屋の隅っこで見つめる。
2人は、昔の頃の話や仕事の話をしているが、私には分からない。
私だけ置いていかれた気がした。
