名無し

少女は、布団の上で膝を抱えていた。



部屋は綺麗で、静かで、暖かい。



それなのに、彼女の肩は小さく震えている。



安心というものを知らない者は、何も起こらない夜にさえ怯える。



誰かの優しさを受け取るたび、それが奪われる瞬間を思い出してしまうからだ。



少女は目を閉じた。



そして、まだ来てもいない明日を恐れながら、眠りに落ちた。