コンコン…



哲司が扉を叩く音がする…



どうしようか迷った私は、まだ寝ているふりをしてベッドの布団を被った…



「未知??入るぞー??」



ガチャッ



哲司が私の部屋に入ってくる



ハーー



哲司は寝たふりをして布団を被っている私を見て深い溜息をついている…



「弁当…届けに来たなら前もって言ってくれればよかったのに…」



はい。これ返す…



哲司は全部食べ終えた空のお弁当箱を私が寝ているベッドの横にあるチェストの上に置いた…



「何か誤解したみたいだけど、あの子とは何もないから…」



告白も断ったし…



哲司は布団を被って不貞腐れている私にバツが悪そうに言葉を発した…



「でも…2人で抱き合ってたし…」



私はつい哲司の言葉に反応して声を出してしまった…



声を出さないようにしようと頑張ったけど、言わずにはいられなかった…



「別に抱き合ってないし…抱きついてきたの振り切ろうとしてああなっただけだし…」
   


哲司が必死に弁解をしている…



顔は見えないけど、必死に弁解してくれようとしているのが声だけで伝わってきた…