私は結局、少しの間一頻り泣いてしまった…



泣いた後先輩は優しくこう言った…



「何があったのか分からないけど、僕なら平野さんをこんな風に泣かせないよ…まだ返事をもらってないけど、僕と付き合う事真剣に考えてみてほしい…」



先輩に優しくそう言われて、私の心が揺れないわけじゃなかった…



結局先輩に何も返事ができないまま、「有難うございました…」と言って私は部室を後にした…



先輩はどうしてそんなに優しいんだろう??



私なんてその辺にいる何の変哲もない平凡な女の子なのに…



先輩は私のどこが好きなんだろう??
   


先輩を好きになれたらどんなに楽だろう?



私はショックな目にあっても、尚哲司の事が忘れられない自分が嫌になった…



哲司の事も吹っ切れなくて、でも先輩の告白もハッキリと断れなくて、私の心は相変わらず宙ぶらりんでどっちつかずで嫌になる…



頭の中も全く晴れないで、心の中も全然整理できなくて、私は短い帰り道をトボトボと帰った…



先輩にちゃんと断らなくちゃ…



そう思うのに、弱ってる自分に優しい言葉をかけてくれた先輩に縋ってしまいそうな自分がいた…