それからは未知とあまり関わらない日々を送った…



本当は普通に話したいと思った事が何度もある…



でも…



ピュアな未知を俺のドス黒い感情に巻き込みたくなくて、俺は極力会わないように、避けるような生活を送るようにした…



避けていても、未知の事は傍にいなくてもずっと見ていた…



同じ高校を受けたのは、少しでも未知の傍にいたいという俺の自分勝手な感情からだ…



自分からもう馴れ馴れしく話しかけるなと突き放しておきながら、一方ではまだ未知の傍にいたいと願う自分がいる…



自分は本当に身勝手な男だなと思った…



未知は高校に入ってからも男っ気がなくて、付き合っている彼氏も居なそうだ…



「平野ってお前の幼馴染だろ?彼氏とかいるのかな?最近お前ら一緒にいないじゃん?俺狙っちゃおうかな?だって可愛いじゃん」


いやらしい言い方で同じクラスの奴が未知に近付こうとする…



「さあ…未知は昔から男嫌いだから、誰とも付き合わないと思うけど…」



中3の時に同じクラスになった奴からそう言われ、俺は咄嗟に嘘を吐いた



「そうなんだ…男嫌いじゃ告っても振られるか…」



咄嗟についた嘘に俺は後ろめたさはあったが、本心では未知に告白する奴がいなくて心から安堵している自分がいた…



未知が他の男と付き合うとか、それだけは絶対に嫌だ…



自分勝手なのは分かってる…



俺は自分から未知を突き放しておきながら、未知が他の男と誰とも付き合わない事を願った…