私は少し考える…



でも、やっぱり全く見当もつかない…



「えっと…やっぱり見当もつかない…です?」



私は首を傾げながらやっぱり分からない旨を伝えた…



「そっか…じゃあ単刀直入に言うけど、僕と付き合ってもらえないかな?」



先輩は照れたように恥ずかしそうにしながらポツリと言葉を発する…



つ、付き合うって私と⁈



先輩って私が好きだったの⁈



私は信じられないか気持ちでいっぱいになった…



家から高校までの道のりは徒歩でもそんなに遠くない…



たった歩いて10分くらいの道のりだけど、緊張してしまって今日は少し長く感じた…



「私…」



「へ、返事は急がなくて良いから…じっくり考えて決めて…」



私は断ろうと思った返事を先延ばしにされてしまう…



歩いて10分の道のりも家に到着する事で終わりを迎え、私は結局先輩に家まで送ってもらう形となってしまった…



「あ、有難うございました…送っていただいて…」



そう言って別れようとした時…



「あっ、待って平野さん⁇」



先輩が私を呼び止める…



はい?



私が首を傾げると…



「髪の毛にゴミ…」
 


そう言って先輩が私の髪の毛に手を掛けようとした…




その時…⁇



「未知!!」



意外な人物が私と先輩の間に割って入る⁉︎



「哲司⁉︎」



私は意外すぎて口をあんぐり開けたまま思わず哲司を見つめた…



哲司は怖い顔をして私に近づいてくる…



今まで見た事がないような顔だった…



「行くぞ…」



そう言って私は哲司に腕を掴まれて自宅のある方に連れて行かれた…