つまずいた先、運命の人【マンガシナリオ】

◯Barの前の歩道
湊は唯を抱えながらバーの前に停まっているタクシーに近づいていく。
唯(ものすごく見られてる・・・)
要らぬ注目を集めてげっそりする唯。

○タクシーの車内
湊が屈んだのでやっと降ろしてもらえると安堵したのも束の間、湊は唯を抱えながらタクシーに一緒に乗り込んだ。
唯「ん!?あの・・・?」
真っ赤な顔で戸惑う唯。
湊は隣のシートに唯を降ろすと突然覆い被さってきた。
唯「えっ」
唯は咄嗟にギュッと目を閉じる。
耳元でシュルッと音がした。
そのすぐ後にカチャっと固定音が聞こえ目を開けると目の前には綺麗な湊の顔があった。
体はシートベルトで固定されている。
湊「何か期待した?」※色っぽい笑み
唯(笑った!)
湊「住所は?」
ポケーと惚ける唯。
湊「おい、聞こえてるか?」
唯「はいっ」
湊「住所」
唯「あ、あぁ・・・(住所)です」
思わず答えてしまいタクシーが走り出す。
唯「あの・・・家までは流石に申し訳なさすぎます・・・」
唯(運んでもらって手当てまでしてもらった上に家まで着いて来てもらうなんて・・・)
湊「その足でどうやって家まで帰るんだ」
唯「普通に歩いて帰ります・・・」
湊「雨で地面濡れてるのに足着けないだろ」
唯(確かに・・・)
今の唯の右足は包帯でぐるぐる巻きなので靴が履けない。
湊「黙って送られろ」
唯「すみません・・・」※落ち込んだ様子
マンションが見えてきたので運転手さんに伝え止めてもらう。
お金を払おうとカバンから財布を取り出していると、降りて私の方へ回り込んで来た湊がまた唯を抱えようとする。
唯「えっあの!お金!」
湊「もう払ってる。すぐ戻るので待っててください」
湊は運転手に告げると唯を軽々と抱き上げた。
唯「心の準備をさせてください・・・」
ボソッと呟いて羞恥で俯く唯。
湊「なんの準備だ?」
唯「誰もが抱き上げられることに慣れていると思わないでください!」※少し怒った顔


○マンションエントランス
湊「部屋何階?」
唯「はぁ・・・3階です・・・」※げっそりした顔
エレベーターに乗り込む。
湊「抱き上げられるのは初めてか?」
唯「当たり前じゃないですか!何回もあったら困ります・・・」
湊「そうか」※気づかれない程度の嬉しそうな顔
家の前に着き抱かれたまま唯が鍵を開ける。
湊は玄関でそっと唯を降ろす。
唯「何から何まですみませんでした・・・」
湊「すみませんじゃなくて、違う言葉が欲しい」
唯「っ!あ、りがとうございます・・・」※赤く染まる頬
湊「ん」※微笑む
湊の優しい微笑みに唯の心臓はドクドクと音を立てる。
湊「明日、病院で診てもらった方がいい。お大事に」
そう言って湊は帰って行った。
唯モノ『何だか夢を見ていたような気分だ・・・』


○Bar
バーの扉が開き湊が入ってくる。
カウンターで出されたウイスキーのロックを煽りながら唯の百面相を思い出して頬を緩める湊。