唯日がお風呂に入ったのを確認し、私は部屋に戻ってクッションにどかっと腰かけた。

「あんたら、なんで私の部屋に不法侵入してるん?」

社会教師の小森のような口調で、イケメン3人をぐるりとにらむと「不法侵入なんて、人聞き悪いなあ」と白グラデーションが苦笑する。

「六花、今日チョーク入れひっくり返したろ。」

赤メッシュが、先ほど唯日に対して見せた、あのちゃらちゃらした態度とは正反対の態度で私を射抜く。

「そうだけど…やっぱりストーカー規制法で訴えた方がいい?」

もう一度スマホを手に取ると、金髪派手系男子が「ちゃんと言えたな」とにやにや笑みを浮かべた。

「馬鹿にしないでよ…とりあえず、あんたら何者なの」

小森の口調が抜けないまま、警戒心120%でそう質問すると、金髪派手系男子が「俺たちは『チョーク』の化身みたいなもんだよ」と大真面目な顔で答えてくれた。

「ちょーくのけしん?」

知らない言葉を繰り返す子供のように、そう繰り返すと、白グラデが暴れる子供をなだめるようにまた大真面目な顔で答えてくれた。

「六花ちゃんがチョークをひっくり返したから僕たちが出てきたんだ」

「はぁ…」

困惑の相槌50%、警戒心50%がミックスされた『はぁ…』を発しながら、私は白グラデの方に身を乗り出した。