「ほこりくさ…なんで?」
鍵を開けて家に入ると、やけに家がほこりくさかった。お母さんがかなりの綺麗好きなので普通に考えたらあり得ない話だろう。
「まあいっか。」
弟の唯日はまだ部活中なので、家には誰もいない。
誰もいないと、嫌でも独り言が増えてしまう。(ちなみに部屋でぶつぶつつぶやいてたら、「おいおばさん、ぶつぶつ言っててキモイで」と唯日が勝手に部屋に入ってくる。)
自室の扉を開けると、そこにはイケメンが3人いた。
1人は、黒髪に白いグラデーションが入っている。ちなみにそいつは私の布団を勝手に広げて勝手にくつろいでいる。
もう1人は金髪で派手なファッションの怖そうな人。部屋にある姿見の前で変なポーズを決めて遊んでいる。人の部屋で何をやってるんだか。
最後の1人は、黒髪に赤いメッシュが入っている。ちなみにそいつは、卓上の女優ミラーのライトを勝手につけて前髪をいじっている。
「不法侵入で訴えんで!」
クッションをお構いなしに踏みつぶしながらスマホを手に取り、脅すように白グラデーションの前に差し出すと「六花ちゃんこわーい」と、実に緊張感のないへらへらした返答が返ってきた。
「なんで名前知ってるの…?す、ストーカーうんちゃら法で訴える!!」
「ストーカー規制法な。」
あのアホそうな金髪派手系男子に訂正されて、むかついた私はばたんと勢いよく扉を閉めた。



