怒鳴り声で目が覚めた。
「ちょっと萌華、起きてよ!」という椿姉さん。
「遅れたらあんたのせいだからね」ゆり姉さんまで...
私はため息をしながら起き上がった。「はいはい。今起きるって」
そう言った瞬間、椿姉さんは顔を真っ赤にし「雑用はさっさと準備しなさいよ!」と小さなものが投げつけられた。
これって私の大事な耳飾り...もう!ひどいことするな!でも涙は一滴も流れてこない。
(やっぱ私は何も悲しく感じない)
「それ付けたらさっさと行くわよ!」
はぁ行くしかないか...私は耳飾りをつけ、柄も何もついてない桃色の着物に着替えた。
身支度が終わり姉さんと客室に入った。
壁には煌びやかな装飾品、無駄に豪華な天井や柱。そこにはたくさんの客。
いつ見ても目がチカチカする部屋だ。
「みなさま今日はお越しいただきありがとうございます。」雪椿はさっきとは別人のような穏やかな喋り方で話し微笑む。
「金原一族のみなさま。今日は楽しんでいってください。」と夏ゆりは落ち着いたトーンで話した。