澪「…………!!!!!!」

ガタガタっ!!!!
眠気と戦う昼休み、荒々しく椅子から立ち上がり環と紫遊の所へ。

澪「コレ!!コレなら色が合うよ!!!!!!」
紫遊「……?あぁ…イケメン集団の曲か」
環「歌うのー?」
澪「絶ッッッッ対合うから!!もしバズらなかったら、1ヶ月毎日ジュース奢る!!」
環「よーし言ったな!?二言はないな!?」
澪「ない!!!!環と紫遊の分奢る!!」
紫遊「巻き込むな巻き込むな」
澪「環だけだとまた合わないの!!紫遊も居なきゃダメなの!!」
紫遊「どんな謎理論だよ…」

誓約書だって書く!!と意気込む澪に対し、そこまでするなと突っ込む紫遊。澪からヒョイっとスマホを取ると、タイトルだけ自分のスマホに打ち込んだ。街中やCMで聞いたことはあるものの、全てを知ってる訳では無い。まずは聞かねば。

紫遊「さんきゅ。今日聞く。で、ダンス練習する。曲が合わないって言ってたけど、それは踊ってみたで合わないの?歌ってみたで合わないの?」
澪「両方!だから両方あげて!」
環「はぁぁぁぁ!?!?」
澪「バズらなかったら1ヶ月毎日2人のジュース奢るんだから、それぐらいの労力見せてよ!」
環「うー…やるっきゃねぇかー………」
紫遊「ダンスは3日、歌は2日でいこう」
環「お前めちゃくちゃヤル気じゃん」
紫遊「バズったらお前も澪も喜ぶんだろ?アイドルになるんじゃなかったのか?」

ムスッとしながら机に突っ伏す環。

環「…頑張る。オレが言い出したんだし、澪が昼休み返上で探してくれたんだし」
紫遊「そうそう。最初からそう言えばいい。いい子だ」
環「撫でんな!!」
澪「いいこいいこー」
環「澪も撫でんな!!」

こうして、澪が見つけた「2人の色と調和する音の曲」を使って、歌ってみたと踊ってみたを投稿した。1ヶ月毎日2人のジュース奢る、をかけて。


































環「う………嘘だろ……」
澪「ね?言ったでしょ?」
紫遊「……まさかここまでとは…」

バズった……
ビギナーズラックなんかじゃない。最初の動画よりはるかに再生数が多い。コメントも2人を称賛する声ばかり。

『2人の雰囲気にめちゃくちゃ合う!!サイコー!!』
『この世にこんなイケメン居るの!?』
『本家よりこっちの方が好き♡』

3人は顔を見合わせる。

環「……すげぇ」
紫遊「踊ってみたも、歌ってみたも、どちらも伸びている」
澪「どーよ?すごくない?私」
環「すげぇ」
紫遊「もはや才能か…」

澪はバズった事に喜ぶが、紫遊と環はまだまだ現実味を帯びていなかった。芸能人の動画を見ているような…どこか遠い国の話を聞いているような、なんとも言えない気持ちになっていた。