でも、本当に王子様みたいな人だな。
漆黒の綺麗な髪、黒曜石のような透き通った
瞳。
そんな私の考える事には気づくはずもなく
田鶴風さんはどんどん、歩いてしまう。
気づけば、だれも人がいない下駄箱まで
来た。
田鶴風さんは両手で私を抱えながら自分の
靴に履き替えている。
保健室に着いたら椅子に下ろされた。
「本当にごめんなさい!無駄な事させてしまって」
「別にいいよ」田鶴風さんはくすっと笑う。
「でもなんで王子様が私を、喋った事もないのに」
「なんだか直感で動いてた。雨山さん、
言っとくけど、俺王子様でもなんでもないよ。変な意味じゃなく」
