俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る

「ああ、そうか。それは妻がお世話になってありがとう。急に一人で行くことになって心細かったようで、儂も気づかずに仕事に出かけてしまって可哀そうなことをしたと思っていたんだが、親切な人に会えて喜んでいたよ。そうか、その人が空さんだったのか」

そういっていると、もう一人若い男性が部屋に入ってきた。よく日に焼けている精悍な感じの若者で、ご主人に何となく似ていてイケメンだ。

「雄介、紹介しよう。こちらは小夜がお前の所に行った時に、空港で具合が悪くなったって言ってただろう、その時に親切に小夜の世話をしてくださった。秋野空さんだ」

「ああ、その節は祖母がお世話になりました。迅速に医者を呼んでもらって薬も多めに処方してもらって本当に助かりました。祖母も機内でぐっすり眠ったようで、シドニーについた時には元気溌剌であなたの話ばっかりしてましたよ」

「いいえ、そんなに言っていただいて恐縮です。私の方こそ小夜子さんとお友達になれてうれしいです。あの時もすごく沢山お土産まで買ってきていただいて、本当に小夜子さんは素敵な方です」

「じゃあ、私はロマンスばあちゃん?」

とふざけて言う小夜子さんに、みんな大笑いしたのだった。

そして入院はあと一週間位で松葉杖の使い方が分かれば、あとは家で静養していれば問題ないそうなので、退院後に4人で食事に行くことを約束させられた。

その時に勤務表を確認して空の休みの時にみんなが合わせてくれるというので、断り切れずに了承したのだった。

雄介は小夜子から電話やラインの連絡先も聞くので、場所が決まったら連絡すると言っていた。

雄介が空を見る瞳の中にハートマークが見えた気がして、空は少し困ったことになりそうだと思ったが、何も言えずにその時は病院を後にした。