俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る

「その男性のかっこいいことと言ったらもう、ああいう方が本当のロマンスグレーっていうんですよね。若い時はきっと女泣かせのイケメンだったに違いないですよ」

小夜子も“そんなロマンスグレーなら会ってみたいもんだわ“と言って二人でキャッキャ言っていたら、ドアが開いて

「楽しそうだな、小夜、退屈していると思って仕事の合間に来てみたんだが、若いお友達か?」

そう言った人を見て、空はあっと声を上げた。

「小夜子さん。ロマンスグレー!」

「ええっ、あらまあ主人の事だったの?」

と小夜子はケラケラとお腹を抱えて笑い始めて、止まらない。

「小夜、何が面白いんだ」

「すみません。私は小夜子さんの友人で秋野空と申します。先日羽田行きの便のゲートで、芸人の無茶ぶりに返した私の言葉を、褒めて下さった素敵な方のお話を小夜子さんにしていたんです。そしたら、当の本人が現れたので…」

と尻つぼみになる空に

「ああっ、君はあの時のNOAのゲートのスタッフ」

「そうなんです。あの時はありがうございました。ご主人の言葉に励まされてあの日は本当にありがたかったんです」

「あなた、空さんがねロマンスグレーのカッコ良い人だったって言ってくれたわよ。よかったわね」

「そうか、それはうれしいなあ」

ご主人はちょっと顔を赤らめて嬉しそうに笑って

「空さん、もうすぐ孫もくるんだ。ぜひ孫を紹介したい。一緒に食事に行かないか」

そういってもらったが、空はみんなの夕食の準備があるので

「すみません。今日はほかに用事もあってご一緒できないです」

と言って頭を下げた。

「そんな急に言って空さんを困らせないで、私の大好きなお友達なのよ。ほら、こないだ雄介の所に行く時に親切にしてくれたスタッフさんの話をしたでしょう。それがこの空さんなのよ」

となぜか、誇らしげに胸を張ってご主人に説明している。