深夜0時のドッペルゲンガー

「ひいっ!!」

心臓が止まるんじゃないかというほど驚いた私の手から、スマホが離れて床に落ちる。

『しずく?しずくどうしたの!?』

咲の言葉に答える余裕もなかった。

なんで個室を開けれたの…?

鍵は閉めたはず…あっ。


〝私は素早くそこに入り、1番近くの個室に飛び込んだ。〟


違う…閉めてなかったんだ…!!!

こんなところでドジ発揮しないでよ…なにしてんの、私!!!!

だが、そんな私の心情を知る由もないドッペルゲンガーは、私に向かって無慈悲に近づいてきた。

壁際に、ピタリと体がつく。

まさにこれが– –袋のネズミだ。

「や…やめて…来ないでっ」

そう言っても、ムダだった。

どうしよう…なにをされるかは分からないけど、危険な目に合うというのはたしかだ。