祐生:「チッ、命拾いしたな、山口」
山口は這いながら祐生の手をすり抜け逃げて行った
修一:水本…場慣れしてるにもほどがあるだろ
ブーブーブー…
修一のスマホが鳴る
修一:「美咲?」
美咲:「日和は? 日和は大丈夫なの!?」
修一:「あ、ああ、無事だ」
美咲:「よかったー」
ホッとしてしゃがみ込む美咲
修一:「ただ相当怯えてるから、このまま家に連れて帰るよ」
美咲:「そう、うんでもちょっと和泉が…」
修一:「和泉がどうした?」
日和:「し、修一くん」
美咲の声が聞こえ、震える手を伸ばす日和
日和の気持ちを察して机にスピーカーにしたスマホを置く修一
日和:「み、美咲」
震える声で必死に話しかける日和
美咲:「日和? 大丈夫? 怖かったよね? ごめんね一緒にいてあげられなくて」
日和:「…ひっ…そんな……うん…だ、大丈夫」
美咲:「日和ーっ」
日和:…美咲の声……声だけでも少し安心する
涙する日和と美咲
日和:「…美咲、あの…和泉くん…どうかしたの?」
美咲:「あ…うーん」
日和:「教えて、美咲」
美咲:「日和に何かあったと気付いたみたいで、いつもの和泉のプレイが全然できてなくて…試合今負けてる」
少し考え込む日和
日和:「……わかった、今からすぐ行くから。修一くん、お願い、私を会場まで連れてって」
修一:「いやだけど日和…」
日和:「和泉くんは…和泉くんはいつも私を助けてくれる。和泉くんがピンチの時は私が応援したい!」
震えながらもきっぱり言い切る日和を見て祐生は
祐生:「今日の小林の対戦相手、そいつがさっきの山口に桐谷を拉致するよう依頼したらしい。そんな卑怯なやつの思い通りにさせてたまるか! 中本、しっかり小林応援してろ。西山、タクシー捕まえて正門で待ってろ。桐谷はオレが背負って行く」
修一:「わかった」
修一は美咲との通話を切りすぐに走っていった
祐生:「荷物はこれだけか? ほら掴まれ」
日和は祐生の背中に掴まった
日和:「祐生くん…ありがとう」
祐生:「無事でよかったよ、桐谷になんかあったら山口と依頼したやつぶち殺してたわ」
日和:「そんな…」
祐生:「冗談じゃねーよ、きっと小林も同じこと言うぞ」
日和:……そうかも
