甘々王子とやらかしヒーロー


樹:「あっ、ごめん。アメリカ帰りだから、つい…ってほんと1週間前に帰国したんだ。で、すぐに日和が住んでいた家に行ったんだよ。でも日和もうそこにはいなくて…」

日和:そうだ、あのあと家を建てて引っ越したんだ!

樹:「それから必死で探したよ。たまたま今日、日本の花火大会 懐かしくなって来てみたら、まさかこんなとこで会えるなんて…」

日和:「さ、探して…くれたの?」

樹:「だって日和に会うために日本に来たんだよ」

日和:え?!

樹:「あの…っ、さっきの男の子って…友達?」

頷く日和

樹:「カレシとかじゃなくて?」

日和:「ち、違うよ! 和泉くんとはそんなんじゃなくて…」

樹:「はーーー よかったーーー」

しゃがみ込む樹

日和:樹くん?

樹はゆっくりとひざまずき、日和の手をとった

樹:「僕はあの頃からずっと日和が好きだよ」

日和:!! えっ?

樹:「もし日和に好きな人がいても、これだけは言おうと決めていた。でも実際、日和が男の子と一緒だったから焦っちゃった」

日和:な…なに…言って……

樹:「日和、僕と付き合ってくれませんか? 6年の空白もこれからずっと一緒にいて埋めていきたい。キミが好きなんだ」

ヒューーーーードーン
花火が上がり始めた

日和:……えーっと…えっと……突然過ぎて頭が……

そんな日和の顔を見て

樹:「ごめんごめん、急すぎたね」

そう言って優しく日和の頭を撫でた

日和:うわっ、この手…懐かしい……

樹:「じゃあこうしない? 昔みたいに日和のそばにいさせて。それで今の僕を知ってもらって、好きになってもらえるように頑張るから」

花火がどんどん上がる中、まっすぐに日和を見つめる樹

樹:「だめかな?」

日和:そ、そんなの…好きにならないわけないと思う。だって…私だって王子様…樹くんが会いに来てくれるのを、どこかでずっと待っていた気がするから…

日和:「わ、私も……」

樹:「!! 僕に会いたかった?!」

頷く日和

樹:「嬉しいよ」

思わず日和を抱きしめる樹

日和:……ハグ…まだ慣れない

樹:「おっとごめん、嬉しくて…つい、少し落ち着いて花火見ようか」

日和:「…うん」

ヒューーーーードーン パラパラパラ

日和:ドクンドクンドクン……心臓の音がうるさい…これって花火の音のせい?