日和は信じられないという顔で、樹を見つめていた
日和:ほんとに、本当に…樹くんなの?!!
樹:「日和、やっと見つけた」
そう言って樹は優しく微笑んだ
ちょうどいなくなった日和を探しまわっていた和泉は、その光景を見て衝撃をうける
和泉:だ、誰だ?!! なんで…なんで見つめ合ってる?!
プツっ
日和への発信を切る和泉
和泉:「日和!」
和泉の呼びかけにハッとする日和の瞳はうるうるで真っ赤な顔をしていた
和泉:日和…なんだよその顔…誰なんだよコイツ
いかにも怪しい人を見ているような和泉の視線を感じた樹は
樹:「日和のお友達? はじめまして、僕は日和の幼なじみというか、まあそんな感じで…たった今、6年ぶりに再会して……」
和泉:はあぁ??? 幼なじみぃ?!!
樹:「日和、もしよかったら今ちょっとだけ話せない?」
日和:樹くん…
樹を見てポウっとまだ夢心地の日和
和泉:ちょっと待て! オレこれから日和に告って…それから………
えっ?! これってもしかしてオレ邪魔?? 邪魔なのか?!
いっぱいいっぱいになって、その場でジタバタする挙動不審の和泉
和泉:グルグルグル…頭が回らねー
あーーー!! もう無理だ!!
和泉:「あー オレまだちょっと腹痛いから今日は帰るわ、ごめん」
日和:えっ? えっ?
和泉は逃げるように走っていった
唖然とし向かい合ってる樹と日和の横を、たくさんの人が行き交う
樹:「ちょっと移動しようか」
樹は日和の手を取り歩き出した
日和:え?! 樹くん? 手!!!
ドキドキドキドキ……
樹:「ごめん、早く日和と話したくて強引に引っ張っぱっちゃった。足大丈夫?」
日和:…ホントに樹くんだ…
コクンと頷く日和
樹:「ホントに?」
日和:私を心配してくれてる…そんな優しいとこ全然変わらない
樹:「改めて久しぶり、元気だった? すっかり素敵なレディになったね」
日和:レディって…
樹:「それになんて素敵なんだ! ジャパニーズ浴衣…」
樹は浴衣姿の日和に見とれる
そして嬉しそうに
樹:「それ…ずっと持っててくれたんだ」
日和がずっと握りしめているスマホのガラスの靴を指さす樹
日和:「あっ、うん」
樹:「あー やっと声が聞けた!」
思わず口を押える日和
樹:「ずっと…ずっと、会いたかった」
そう言って日和を抱きしめた
日和:え?! ちょっと…樹くん?!
