甘々王子とやらかしヒーロー




和泉:うひゃーー 浴衣姿の日和、やばい!!!
オレ今日告るんだよな、大丈夫かな…

日和:「どうしたの? 和泉くん」

和泉:「うわっ、いや…と、とりあえず何か食うか」

テンパりまくりの和泉

日和:「うん」

和泉:よし、食って食って、とりあえず意識をそっちに集中させて…



日和:「大丈夫?」

和泉:やべっ、緊張と食い過ぎで腹が…

和泉:「わりぃ、ちょっとトイレ行ってくるから、ここで待っててくれ」

日和:「うん」



日和:和泉くん大丈夫かなぁ、美味しそうにいっぱい食べてたもんね
クスっ…なんか和泉くんらしくて…

ガバっ

日和:ひゃっ!

小さな男の子が日和の足を掴んでいた
日和と目が合ったその子は

男の子:「ふ、ふえーーーーん」

日和:「あ、えーっと…」

日和:ど、どうしょう…ママと間違えちゃったのかな?
和泉くーーーん!! 

辺りを見回すがその子の母親らしき人はいない
和泉もまだ帰ってこない

日和:私が緊張してる場合じゃない! 和泉くんならきっと…

日和はしゃがんで男の子と目線を合わせる

日和:「な、泣かないで、大丈夫だよ。お姉ちゃんがママを一緒に探してあげるから」

泣きながら日和を見る男の子

男の子:「ホント?」

日和:「うん、お名前なんていうの?」

男の子:「ゆーと」

日和:「ゆーとくんね、お姉ちゃんはひよりだよ。ゆーとくんはなにか食べた? お姉ちゃんはイチゴ飴食べたよ」

男の子:「ぼくはね…………」



日和:えーと、確かこっちにインフォメーションがあったと思ったんだけど…

男の子の手をひきインフォメーションに向かう

男の子のママ:「優斗!!」

男の子:「ママーーーー!!」


男の子のママ:「ありがとう、本当にありがとうございます」


日和:はぁ、よかった…あっ、場所離れちゃったから和泉くんが心配しちゃう。連絡しなきゃ…

スマホを取り出す日和

日和:「キャっ!!」

人込みで人にぶつかりスマホを落としてしまう
拾ろおうとしゃがみ込む日和

樹:「大丈夫ですか? あれ?! その…ガラスの靴……」

日和:?!

差し出してくれた手の先を見上げる日和

日和:!!!!!!

そこにはずっと会いたいと思っていた懐かしい顔が…

樹:「…日和?!」

日和:うそっ!!! まさか本当に?!!

ブーブーブー……

樹:「つかまって」

樹の手を借りて立ち上がった日和は、和泉からの着信にも気づかないほど動揺していた