バタン
日和:ん…樹くん?
隣の部屋で電話をとる樹
樹:「はい」
向田:「向田です、お久しぶりです樹さん」
樹:「向田さん…お疲れさまです」
樹:会長…じいさんの秘書の向田さんが僕に何の用なんだ
向田:「ご報告します、この度 樹さんと伏見家の令嬢響子さんとの婚約の準備が整いましたので…」
樹:「!!! 何言ってるんですか?!」
向田:「来年度から始まる新プロジェクトで伏見と提携することになり、条件として樹さんと響子さんとの婚約を伏見側が匂わせて来たのです」
樹の顔がすーっと強張っていく
樹:「だからといって僕には関係ない話だ!」
向田:「時期後継者の樹さんが関係ないことはないですよ。しかも会長は大変乗り気で」
樹:「勝手なこと言わないでください!!」
思わず樹は大きな声をあげた
樹:「とにかくそんなこと勝手に決められる話じゃないので、お断りしますと会長にお伝えください。では」
樹は早々に電話を切った
樹:「くそっ!! 何考えてんだっ」
スマホをベッドの上に投げつける樹
ドアの向こうだが樹の荒げた声など聞いたこともない日和は、心配そうにドアの前をうろうろしていた
日和:樹くん、なかなか出てこない
よし、
コンコン
そーっとドアを開ける日和
するとベッドに座り考え込んでいる樹が目に入った
日和:「い、樹くん?」
樹:日和!
樹の辛そうな顔をみた日和は、隣に座りそつと樹の手を握った
日和:「樹くん、大丈夫?」
じっと見つめてくる日和の瞳
樹:暖かい手…そうだった、僕が辛いとき日和は昔からこうやって僕に寄り添ってくれた
ー 祖母が亡くなって僕が母を支えなければと気を張っていた時も、日和はそっと黙って僕に寄り添ってくれた
あの時どんなに救われたか
あの時から日和は僕の中で大きな存在になり、もう一度会いたいという一心で日本にきた
再会できて嬉しくて告白せずにはいられなかった
そしてこうやって付き合えるようになって…だから絶対に日和を手放すものか!
樹:「日和ごめんね、祖父が僕の意思を無視して僕の将来を勝手に決めようとしてて…でも大丈夫、僕には日和がいるから」
日和:仕事のことかな?
日和:「樹くん…無理はしないでね」
樹:「ありがとう、日和」
樹は日和を抱きしめた
日和:「樹くんのおじいさまってどんな人なの? おばあさまは確かアメリカの人よね?」
樹:「うん、祖父は一代で会社を立ち上げグループ化してしまうくらい仕事のできる人で、その面ではとても尊敬している」
日和:すごい人なんだ
樹:「でもとても厳しい人で、小さい頃から僕の進む道を勝手に決める人だった」
