桐谷家 夕食時
日和:「お父さん、今日のはどう?」
父:「うん、うまい! 味もしっかり染みてるぞ」
日和:「やった! お父さん、毎日食べてくれてありがとう」
うんうんと頷くお父さん
父:これが彼氏のために練習しているものでなければ、もっとおいしくいただけるのだが…
父は寂しげに肉じゃがを頬張った
母は父の気持ちをくみ取りそっとお茶を差し出した
日和:「樹くん、これ…」
樹の家で、作ってきた肉じゃがを手渡す日和
樹:「何々?」
日和:「肉じゃが、樹くんに食べてもらいたくて…」
樹:「もしかして日和が作ってくれたの?!」
頷く日和
樹:「ほんとに?!! めちゃめちゃ嬉しいよ!! ありがとう日和」
嬉しくて日和にハグする樹
樹:「さっき家に寄ったのはこれを取りに寄ったんだね」
日和:「うん、今朝作っておいたんだ」
樹:「食べていい?」
日和:「今? 晩ごはんの足しにと思ったんだけど…」
樹:「ちょっとだけ」
日和:「…う…ん」
日和:目の前で食べられるの恥ずかしいな
手を合わせ
樹:「いただきます」
ひと口頬張る樹、不安そうに見ている日和
樹:「ん、おいしい!! ジュワっと味が染みててめちゃめちゃおいしい!! こんなおいしい肉じゃが初めて食べたよ」
日和:「樹くん大げさ」
樹:「味ももちろんだけど、日和の気持ちが感じられるからほんとにおいしいんだよ。幸せだよ僕」
箸が止まらない樹
樹:「ごめん、おいしすぎて全部食べちゃった。ごちそうさま」
日和:「ううん、よかった。食べてくれてありがとう」
樹:「お礼にコーヒー淹れるから待ってて」
日和はソファーに座り樹がコーヒーを淹れる姿をボーっと眺めていた
日和:自分の作ったものをこんなに喜んで食べてもらえるなんて…嬉しいな
安心してウトウトし始める日和
それに気付いた樹は
樹:「今朝早く起きて、僕のために作ってくれたんだよね。ありがとう」
そう言って寝ている日和の頬にキスをした
日和が寝ている横でコーヒーを飲んでいた樹のスマホが鳴る
日和を起こさないようそっと隣の部屋に移動する樹
