日和はスーパーからの帰り道、なにやら探し物をしている年配の女性をみかける
日和:どうしよう…なにか困っているのかも……周りに人いないし…
じりじりと近づいてみる
日和:「あ、あの…」
日和に気が付く女性
日和:「あ…えっと……その…」
東屋 珠子:「私になにか? こんなおばあさん相手に、そんなに緊張しなくても大丈夫よ」
日和:「…す、すみません…なにかお困りなのかと…」
珠子:「あらやだ、私の様子見て声かけてくれたの?」
頷くひより
珠子:「まあ親切にありがとう。実はね、この辺でキーホルダーを落としてしまったみたいで」
日和:「ど、どんな感じのですか?」
珠子:「サンゴで作ってあってね、亡くなった主人からもらったもので、大事にしてたのだけど」
日和:「そ、それは大切なものですね、私も探します」
そう言ってしゃがみ込み、必死に探す日和
珠子:「悪いわね、どうもありがとう」
二人であちこち探し回って数分、自販機の下に必死で手を伸ばす日和
珠子:「ちょっと…汚れちゃうわよ」
日和:「いえ、奥になにかあるみたいで」
ゆっくり手を奥に入れていき、指先を動かしなにかを掴んだ
そのまま腕を抜き、そーっと掴んだ手を広げてみる
日和:「こ、これですか?」
珠子:「そうこれ!!」
女性は汚れた日和の手を両手で握り
珠子:「ありがとう、本当にありがとう」
心からのお礼を伝えた
喜んでいる女性を見て、嬉しそうに笑う日和
珠子:「私の家すぐそこなの。手を洗っていってちょうだい」
日和:「い、いえ…」
断るも手を引かれて連れていかれる
珠子:「どうぞ遠慮しないで」
手を洗わせてもらう日和
珠子:「私は東屋珠子です、今日は本当にありがとう」
日和:東屋?!! あの人と同じ苗字…親戚とかじゃないよね?
まさかね…
考え込む日和を不思議に思う珠子
珠子:「あら、どうかした?」
日和:「い、いえ…私は桐谷日和です…あのもしよかったら…」
日和は仏壇の前で手を合わせた
その様子を嬉しく見ている珠子
珠子:「どうもありがとう、主人もこんなかわいらしいお嬢さん見てビックリしているわね。ささっ、こっちでお茶でも飲んでちょうだい」
日和:「ありがとうございます、いただきます」
手を合わせてお茶をいただく
