甘々王子とやらかしヒーロー



日和:「和泉くーん!」

廊下を歩いていた和泉を見かけ、パタパタと走ってくる日和

和泉:「おい、そんなに走ったら危ないぞ」

日和:「大丈夫、あっ…」

つまずきこけそうになった日和を支える和泉

和泉:「ほら!」

日和:「ありがと…そだ、美咲のこといろいろありがとう。さっき美咲から聞いて、和泉くんのおかげで丸く収まったって」

和泉:「おーそうか、よかったな」

日和:「ほんとうにありがとう! やっぱり和泉くんに相談してよかった」

和泉:結局オレは人前でみっともなく泣いただけだけど、役にたったんならよかった

和泉:「日和、これからもなんかあったらいつでもオレに言えよ」

日和:「うん、頼りにしてるね」

和泉:なんたってオレは日和のヒーローだからな





放課後、昇降口

樹:「今日暑いからアイスでも食べて帰ろうか」

日和:「うん…でも樹くんあんまり食べれないでしょ」

樹:「僕は日和にひと口もらうだけで十分だよ」

ヒソヒソ……

女子:「あの人? 全然釣り合ってないじゃん!」

女子:「なんであんな子と付き合ってるんだろう」

女子たちが日和を見て噂話をしている

日和:私のこと言ってる?! そっか、そうだよね、まわりから見たら私が樹くんに釣り合うわけない……

日和の不安そうな顔を見た樹は

樹:「そこでコソコソ話してる人たち、僕の大事な人を傷つけるのはやめてくれないか! もし、彼女に何かしたら僕は絶対に許さないよ!」

まわりに向けた樹の言葉に、シーンと静まり返り徐々に解散していく女子たち

樹:「日和あんな言葉気にしたらダメだよ。僕には日和しかいないんだから、だから日和は僕だけ見てて」

日和の肩を抱き寄せまっすぐ見つめる樹

日和:樹くん…ありがとう。うん、そうだ私だって樹くんしかいない。こんなに好きになれたのは樹くんだから…




夜、樹の家からの帰り道

樹:「すっかり遅くなっちゃったね」

日和:「ごめんね、私がドラマの話で盛り上がっちゃったから」

樹:「日和と話してると楽しくて、時間忘れちゃうね」

ー 最近は近くに引っ越してきた樹くんの家で、放課後お茶しながら、おしゃべりしたり勉強したりするのが日課になっていた

樹:「あ、日和の家からおいしそうな匂いがする」

日和:「一緒に食べてく?」

樹:「いや、突然は申し訳ないから、また今度お邪魔させてもらうよ」

日和:「うん」




家族で夕食を囲んでいる

日和:そういえば樹くん、ご飯はいつも外食かコンビニって言ってた…

日和:「ねえお母さん、和食で家庭料理っていったら何かな?」

母:「そうねえ、肉じゃがとか生姜焼きとかかしら」

日和:「肉じゃが! それって私でも作れる?」

母:「そりゃ練習したら作れるようになるわよ。なに? 樹くんに作ってあげるの?」

日和:「えっ? ……うん」

お父さんは日和の言葉に動揺しながらも、黙々とご飯を食べていた





翌日からお母さんに教わりながら、肉じゃが作りの練習をする日和

日和:「じゃがいもこんなに小さくなったーーー」

母:「ピーラーでむいてみようか」


日和:「じゃがいも固いーーー」

母:「火加減に気を付けながら、もう少し煮てみよう」