甘々王子とやらかしヒーロー



休み時間、隣のクラスの和泉が日和のクラスに顔を出した

和泉:日和いた! ん? なにしてんだ?!

日和はなにやらスマホに夢中になったいた


和泉:「おい、日和」

日和:「うわっ!」

和泉:「なにやってんだよ! 何度も呼んでんのに」

日和:「あ、和泉くん。ごめんね、ちょっと樹くんとラインしてて」

和泉はちょっとムっとするも

和泉:「なあ、古文の教科書貸してくんね?」

日和:「うん、いいよ…はい」

和泉:「サンキュ、後でまた返しにくるから」




3時間目、和泉のクラス

先生:「であるからしてーーーーー」

和泉:しかし、岡セン(古文の岡崎先生)の授業眠くなるなー 
日和は昼からって言ってたな。よーし、日和が眠くならないように…

日和の教科書に黙々となにか書いている和泉

和泉:できた! 岡センの似顔絵オレめっちゃうまくね?

怒った顔の横に 寝るなよ! と書いてある

和泉:「ぐははっ」

和泉:あ、やべー

つい声を出して笑ってしまった

先生:「なにがおもしろいのかな? 小林くん」

岡崎先生は和泉の横に来て、似顔絵を見つけた

先生:「ほう、それはわたしかな? うまいじゃないか」

和泉:「あっ、やっぱり?」

スーっと岡崎先生は教科書を取り上げ、軽く和泉の頭をポンと叩いた

先生:「ん? これ小林の教科書じゃないな。人の教科書に落書きするとは…昼休み準備室の雑用な」

和泉:「えーー! 先生勘弁してよ」

クラス中に笑いが起こる




5時間目、日和のクラス

先生:「じゃ、次のページ」

ページをめくる音が教室に響く
和泉の書いた似顔絵を見つけた日和

日和:「ハハハ…」

日和:あ、授業中

口を押える日和

先生:「桐谷、それ誰だかわかるか?」

日和:え? え?

一斉に日和に注目が集まる

日和:「…お、岡崎先生?」

先生:「そうらしい、小林は絵がうまいんだな」

生徒:「どれ見せて見せて」

生徒:「やべー、めっちゃ似てるー」

周りの席の子が騒ぎ始めた

先生:「はいはい静かに! 桐谷、落書きされるからもう小林に教科書貸すなよ」

アハハハ…………

日和:も~ 和泉くん!!




二人で下校中

日和:「でね、和泉くんのおかげですっごく恥ずかしかったんだよ」

樹:「アハハ…そうなんだ。おもしろい子だね、小林くんて」

樹:すっごくわかりやすいし…

日和:「そうなの、だから一緒にいて楽しいんだ」

日和の和泉を思いながら笑う顔に耐えられなくなった樹は

樹:「日和、日和が仲間を思う気持ちは十分わかってるつもりだけど、それでもやっぱり日和を独り占めしたい気持ちでいっぱいなんだ。だから日和の口から僕じゃない男の名前を聞くと妬けちゃう」

日和:「な、なに言って…和泉くんは友…」

樹は日和の言葉をさえぎり、あごをクイっと持ち上げチュっとした

樹:「友達の和泉くんとはこんなことしないもんね」

日和:「…し、しないよ、でも樹くん、ここ外だからその…」

樹:「わかった、じゃあ家帰ってから続きするね。早く帰ろう」

日和:……

顔を真っ赤にさせながら、樹に引っ張られる日和だった