甘々王子とやらかしヒーロー


日和:ん? え?!

樹:「恥ずかしいんでしょ?」

日和:「い、いや私じゃなくて樹くんがだよ」

日和:んーー、抜け出せない!

樹:「僕は映画で感動して泣いてる日和をかわいいとは思うけど、恥ずかしいなんて思わないよ」

日和:か、かわいいって…てか、もう涙止まっちゃったよ

ゴソゴソと抜け出そうとする日和

樹:「なにしてんの?」

日和:「……暑い…です」

樹:「暑いの? まあ夏だしね、わかった…あっ、ちょっとここで待ってて」

樹はそう言って走って行ってしまった

日和:樹くん、距離が近くてドキドキするよ~ 映画館でもずっと手握ってたし…
アメリカ帰りだからスキンシップ激しいのかなぁ


樹:「おまたせ、はい」

樹は日和にアイスを手渡した

日和:樹くん、私が暑いって言ったから…

日和:「ありがとう」

樹:「どうぞ、日和はバニラが好きだったよね?」

日和:「うん、覚えててくれたんだ。いただきます」

日和は手を合わせてからひとくち口にした

日和:「ん~ おいしい!!」

樹:「そう、よかった」

日和:「あっ、ひとくちどうぞ」

樹:「! いいの?」

日和:?

樹:「じゃ遠慮なく」

樹は日和に顔を近づけアイスをパクっとひとくち食べた

樹:「甘い…」

耳元で囁かれた声と、思ってたより樹の顔が近かったのとで、日和は赤面

樹:「だから言ったのに」

日和:「だ、だって昔は樹くん、甘いのたくさん食べれないからって、いつもひとくちあげてたから」

樹:「そうだったね」

樹は嬉しそうに日和の頭を撫でた

日和:ん? 待って……これって関節…

パっと樹の口元を見て、急にソワソワする日和

樹:「フッ…関節キスってやっと気付いたの? ほんとかわいいね日和」

日和:……

樹:「ほらほら、食べないと溶けちゃうよ」

日和:ほんとだ、溶けちゃう! せっかく樹くんが買ってきてくれたのに…

日和は恥ずかしがりながらアイスを頬張る
愛おしい目で見つめながら、樹は日和の口の横についたアイスを指でなぞり、自分の口に含ませた

日和:!! い、樹くん!