フラフラ歩いている日和を偶然見かけた珠子
珠子:「日和ちゃん」
うつむいて歩いていた日和が顔を上げた
珠子:「どうしたの? 何かあった?」
優しく問いかける珠子の顔を見て日和は我慢できずに珠子に抱きついた
戸惑いながらも珠子は尋常じゃない様子の日和を自分の家に連れて行った
日和:…あったかい
手を合わせ、お茶をひと口含んだ日和はホッとする
珠子:「今朝は雪がすごかったわねぇ、大丈夫だった?」
日和:「はい」
日和:珠子さんのおうち久しぶり…なんだろう、とても落ち着く
珠子さんの雰囲気と優しい声のおかげかな
さっきまでの不安が少し和らいだ気がする
日和:「あの…珠子さん、聞いてもらってもいいですか?」
そうして日和は珠子に今日あったことを語り始めた
途中、驚きながら…そして涙を浮かべながら真剣に話を聞いてくれた珠子
珠子:「突然のことだから、混乱しちゃうわよね。でもとにかくよかったわね、樹くんが元気にやってたことがわかって」
日和:「はい、樹くんに会えたことは嬉しかったんです。でも…」
珠子:「日和ちゃん、人はね大事な選択をしなければいけない時が何度もあるの。樹くんはあの時アメリカに帰ることを選んだ、日和ちゃんはそんな樹くんをずっと待ってた…でも和泉くんという大切な存在に気付き、和泉くんと一緒にいることを決めた、そうでしょ?」
日和:「はい」
珠子:「何が正しかったかなんて、ずっとずっと先にならないとわからないものよ。一時的に相手を傷つけてしまうことがあったとしても、自分で決めたことだもの、自分で乗り越えて納得して生きていかないといけないの。今、日和ちゃんにとって一番大事にしないといけないのはなあに?」
日和:珠子さん…
そうだ、私が今一番大事な物
ブーブー
和泉ライン:遅くなったけど今練習終わった
今から迎えに行くから
日和:和泉くん…
日和:「珠子さん、ありがとうございます! 私帰ります。また今度お礼に…」
珠子:「いいのよ、日和ちゃんのお役に立てたのならよかったわ。また今度あなたのヒーローのお話、聞かせてちょうだいね」
日和:「はい」
日和の吹っ切れた顔を見て珠子は安心して日和を送り出した
