冬になり寒さも厳しくなってきたある日
和泉:「今日もおばさんのご飯めっちゃうまかったッス」
日和母:「そう? たくさん食べてくれて嬉しいわ。お父さんに勧められてお酒飲んじゃったし、今日は泊っていけばいいのに」
和泉:「いやたいして飲んでないんで…雪もひどくなりそうだし今日は帰ります。じゃあな日和」
日和:「うん、おやすみなさい」
日和に見送られ玄関を出た和泉
和泉:!!!
慌てて走り出し、日和の家の前にいた男の胸ぐらを掴む
和泉:「おまえーー!!」
今にも殴りかかろうとする手をグッと堪え、男を引っ張り日和の家から遠ざかる
和泉:「今さら何の用だ!!」
雪が舞い散る中、和泉が掴んでいる腕の男は…樹だった
樹:「……っ」
和泉:「今さら日和に会えるとでも思ってんのかよっ!」
樹:「……日和は…日和は元気にしてるのか?」
和泉:「おまえに教える義理はねえ」
樹:「……教えてくれないか…日和は今…幸せなのか?」
和泉:「くっ……」
絶対日和のこと教えるもんかと手で口を押える和泉
樹:「日和は……小林と付き合ってるの?」
和泉:「…っ、ああそうだよ!! 親も公認で卒業したら結婚すんだ! だから日和に近づくなっ!! とっととアメリカ帰れ!!」
言い放った和泉は、日和の家の方に走って行った
和泉:やべー……勢いでついあんなこと言っちまった
どうして今さらあいつが現れんだよ!!
動揺し心臓バクバクの和泉は、日和の家の玄関の前で大きく深呼吸した
ピンポーン
和泉:「雪ひどくなってきたから、やっぱり泊めてもらおうと戻ってきちまった」
和泉はそう言って日和の家に入っていった
その様子を離れて見ていた樹は、雪の中 呆然と立ち尽くしていた
フラフラと雪の中、スーツケースを片手に放心状態のまま歩いている樹
そんな中、樹の視界に光が入りその先を見てみると、見覚えのある看板が…
吸い寄せられるように入っていく
カランコロン
祐生:「え!!? あんた…」
驚き一瞬固まる祐生だったが、雪でぐちょぐちょに濡れ入り口に突っ立っている樹に
祐生:「ちょっと待ってろ」
そう言ってタオルを取りに行き、席に座らせた
祐生:なんて顔してんだ、この人は!
シュンシュンとお湯が沸く音が響き、祐生はゆっくりとコーヒーを入れていく
祐生:「温まるから…」
そうコーヒーを差し出す祐生
震える手でひと口、またひと口とコーヒーを飲む樹
静かに時間が流れる中、祐生が口を開いた
祐生:「…桐谷に会ったのか?」
首を横に振る樹、そしてゆっくりと話し始めた
樹:「……今日、日本に帰ってきてすぐ日和の家に行ったんだ。まだそこに住んでるかわからないけど、なかなか明かりが点かない日和の部屋を見ていた。なかなかチャイムを押す勇気が出なくて…そしたらあの家から小林が出てきた」
祐生:「そうか」
樹:「なあ、本当に日和は小林と付き合ってるのか?」
祐生:「ああ」
