甘々王子とやらかしヒーロー


日和:「どうしょう美咲、夕べからドキドキしっぱなしで」

美咲:「うーん、アメリカから会いに来て告白してくれた王子か…日和もう好きになっちゃったんじゃないの?」

日和:「わかんない、でも再会した樹くん、昔みたいに優しくてかっこよくて…ほんとに王子様みたいなの!」

顔を赤く染め瞳をうるうるさせながら喋る日和

美咲:これは……和泉に脈はないな、かわいそうだがどうやら王子に軍配が上がりそう…




夜 公園

美咲:「じゃやっぱり和泉は告ってなかったか…はぁ~」

ため息をつく美咲

修一:「やっぱりって、日和に聞いたんじゃないのか?」

美咲:「それがね…………」



修一:「あんの和泉のアホ!! あそこで逃げなかったらワンチャンあったかもしれないのに」

美咲:「だよね…もうすっかり日和は王子に傾いてるようだったし」

修一:「チクショー! もっと早く和泉をけしかけるんだった」

美咲:「恋ってタイミングなんだね」

修一:「そうだよ、俺だってずっと美咲のこと好きだって言ってたのに、高校入ってやっとだもんな」

美咲:「それは…修があまりにも近い存在だったから…全然見えてなかったんだよ。ごめんね、待たせて」

修一:「いいよ、今こうして隣にいてくれるから…そのかわり、この先ずっと離さないから」

美咲:修…






ー あれから数日、樹くんと毎日のように電話でおしゃべりをしている
それでわかったこと…樹くんのお父さんはアメリカでHAYAKAWAグループの社長さんで、いずれ樹くんが跡を継ぐこと
母方のお祖母様が病気だったため、4年間くらい日本に母親と住んでたこと
そして本当に私に会いに日本に来たこと
今はホテル暮らしで住むとこ探したり、高校の編入手続きをしていること




美咲:「それってほんとに王子様じゃん!」

美咲と通話している日和のスマホのガラスの靴のストラップがゆらゆら揺れる