「んんんんー…………」


教室内、自分の机に突っ伏して唸っていると、不意に肩をちょんちょんとつつかれる。


「んー……?」


のっそりと重たい頭を持ち上げてみると、前の席の鳳条(ほうじょう)が私を方に体を向けてこちらを見ていた。


「あ、鳳条かぁ……どしたの?」


突っ伏していた体を起こして、ぐーっと背伸びをする。


「いや、唸ってる声が後ろから聞こえてきたら気になりますって。花山院(かさのいん)さんこそどうしたんです? 最近いつもみたいな元気がないみたいですけど」

「私が一年中、365日元気でいると思ってんの?」

「ええ、そうですね」

「即答すんなよ、なんか腹立つわ」

大きいため息をついて、頬杖をつく。