でも……私はおずおずと自分の右手を差し出してみた。
ハルは躊躇せず握り返してくる。
「ワタシニ、ナンデモ、ソウダンシテ、クダサイネ」
なんとなく明るいトーンに聞こえる声でそう言われ、私はキュッと唇を引き結んだのだった。

☆☆☆

結局ハルを連れて帰ってきてしまった。
柴田家の客室の中をハルはグルグルと歩きまわり、窓の前や飾られている絵画の前に来ると動きを止めてジッと見入っている。
と、いう行動をもう30分も繰り返していた。
この部屋がそんなに珍しいんだろうかと不思議な気持ちになってくる。
「真子、夕飯の準備ができたぞ」
ノックもなしに外から声をかけられてドキリとする。
「い、今行く!」