「誰かがいることには間違いないな」
諒が家から持ってきた木刀を両手でキツク握りしめた。
家族旅行で京都へ行った時に購入したものらしく、店名の焼印が入ったものだ。
「玄関の鍵はちゃんとかけてあったよな?」
「もちろんだよ」
いくら田舎でも鍵を開けっ放しにはしていない。
そのときだった、日本庭園の奥からパリンと何かが割れる音が聞こえて来て身をすくめた。
「家の中に侵入されたかもしれない」
とはいえ、月明かりだけではその様子はわからない。
警察に通報したほうがいいと思ってから、慌てて出てきたためスマホを家に忘れてきてしまったことに気がついた。
「諒、一度家に戻ったほうがいいかも」