お勉強会を健太くんと明日からすることになって、今日はバイバイした。
 大丈夫かなぁ……健太くん、すごく嫌そうな顔してたし……相当勉強が嫌いなんだろうなぁ……あはは……。
 健太くんを教室まで迎えに行った。
「健太くん!」
 すると健太くんはあわてたように振り向いた。
 ん……どうしたんだろ、なんかあわててる……?
「お、おう……どうし、た……?」
 お勉強会、やっぱり嫌なのかな……? あ、はは……。
「お勉強会、行こう?」
「わかった……」

 お勉強会をするということで、私の部屋に来ると、健太くんが周りをキョロキョロと見渡している。
「どうしたの……?」
 健太くんは気まずそうに言った。
「いや、こういうとこ初めてだからよ……」
 あ、そっか……女の子の部屋とか初めてだったかな……? でも、私の部屋はそんなに物も置いてないし……。
 不思議に思いながらも、お勉強会を始めた。
「健太くん、苦手な教科ってある……?」
「国語、数学、理科、社会」
 即答で答えた健太くん。
 全部苦手……? でも、今回は英語があるはず……英語は得意なのかな……?
「英語は得意なの?」
「まあ、イタリアいた時期あったからな……」
「すごい! なら、簡単だね……!」
 イタリア……!すごいな……私、海外行ったことないのに……!
「でも勉強全般きらいだからな……とりあえず俺に勉強を教えろ!」
「わかった……! なら、まずは……英語からやろうか!」
 英語は得意なら、最初にやっておいた方が負担はないよねっ……!
「それじゃあ、英語、国語、算数、理科、社会の順でやるね……!」
「おお!」
 そう言って、勉強会を始めた。

「あぁ……おわっ、た……」
「よくがんばったね……!」
 本当にすごくがんばったな……! 健太くん、勉強がきらいなのに4時間も……!
「えっと……疲れてるけど明日もやる……?」
 私は気まずそうに言った。
「おお……やるぜ……そりゃ、いつも48位だったけど……15位目指さなきゃいけねぇからな……」
 健太くんは疲れていながらも答えた。
 そうだよね……健太くんにとってはとても難しいし……。
「じゃあ、明日も迎えに行くね……!」
「てかいつまでウィッグつけてんだ……」
「えっ? あっ、そっ、そうだね……外そっかっ……!」
 あっ……まだつけてた……!
と思い出して、あわててウィッグを外した。