お隣さんはイケメン三兄弟

 恋さんが「入っていいよ」と言ってくれていて、先にリビングに行って朝ごはんを広げていた。
「美味しそうな匂い〜!」
 恋さんは、実さんを引きずりながら来た。
「……美味そう」
 実さんもぽつりとつぶやいた。
「さあ、座ってください! 食べますよ!」
 私が言うと、3人は席に座った。
「「「「いただきます」」」」
 みんなであいさつをすると、3人は勢いよく食べ出した。
今日の朝ごはんは、お米と、お味噌汁、しゃけだ。
 あっという間に食べ終わっていて、もっと欲しそうだった。
「まっ、まだまだあるから食べてください……!」
「……! ありがとう〜! ていうか、敬語じゃなくていいんだよ? 年下だし」
「そうで……だね! よっ、よろしく!」
 そうだよね、年下だもん……!
 私はふと、疑問に思ったことがある。この家って、お母さんとかいないのかな……?
でも、私が言うことじゃないよね……。
 そう思っていると、健太さんが話し出した。
「俺らのとこ、見たらわかるけど、親……いねぇんだ」
 その顔は、どことなく悲しそうだった。
「…………」
 部屋に沈黙が流れる。
「まっ、まあその話は今しなくてもいいよね〜! みんな食べ終わったし、学校行こ〜!」
 恋さんが焦ったように言った。
「ちょっと私、一回家戻ってくるねっ……!」

「お母さん、行ってくるね!」
 お母さんから私の分と、三つ子の分のお弁当をもらい、一学期最初の学校へ行く。
「あっ、花ちゃん! 忘れてる!」
 お母さんから渡されたのは、黒色のウィッグと伊達メガネだ。
 私は、優しい男の子が少し苦手。
だけど、この元々地味子な見た目なら、狙われないだろうと言うことだ。
 ウィッグと伊達メガネを被ると、「行ってきまーす」と言って、家を出た。
「恋さーん! すみません! これ、お弁当だよ……!」
「えっ……だ、れ……?」
 そっか! わかんないのかな……?
「花です! ウィッグと伊達メガネつけてて……!」
 外して見せると、恋さんは、ほっとしたように胸を撫で下ろした。
「何で、変装なんかして……」
「えっ、と……」
 私が気まずそうに視線を下げると、恋さんは私が言うよりも先に口を開いた。
「人に知られたくないことはあるよね……! 大丈夫だよ!」
 よかったっ……!
「……行くか」
 実さんがまだ眠そうな顔で言った。
 あっ……大丈夫かな、私と行っても……?
 そう思い、少し実さんから離れた。
「健太さんは……?」
「あー……二度寝」
 恋さんは苦笑いした。
「じゃあ、起こしてきていい……?」
 私は恋さんにお願いした。
「いいの〜? ありがとう」
 恋さんは笑みを浮かべた。
 ――ガチャッ。
 3人の寝室のドアを開けた。
「健太さーん……?」
 そこの正面に健太さんのベッドがあって、そこで健太さんはサメのかわいいお人形を持ってぐっすりと眠っていた。
 かっ……かわいい……‼︎
でも起こさいと遅刻しちゃう……!
 うぅ……ごめんなさい……!
「けっ、健太さん! 起きて!」
「ん……?」
 私が呼ぶと、健太さんは眠たそうに目を開けた。
「は……⁉︎ な、んでお前が……‼︎」
 あ、そっか……寝起きに私が居たらびっくりするよねっ……!
「とりあえず、行くよ……! 遅刻しちゃうっ……‼︎」
 私は健太さんの手をつかんで無理やり部屋の外に出して歩かせた。